第2章 手放されたキット、活かされたキット
キルトのキットには、作る材料がデザインや指示書と一緒にセットされている。
完成形を思い描き易く、袋を開ければ縫い始められるので人気でもある。
多くはキルト展やお教室で売られ、出来上がりを夢見つつ、かなり値段が張ったものでも買われていく。
そんな時代があった。
(コロナ禍以前は〜)
が、彼女が手に入れたキットはちょっと違っていた・・・
フリマアプリで売り出されていたある人にとっての不用品。
お値段も自分で材料を揃えるよりもお手頃。
そんな掘り出し物のお宝だった。
勿論、古いものでもあるので、一部劣化していた布は置き換え、手持ちの布で綺麗にアレンジしたと言う。
手法についても、より丁寧で美しい仕上げになるよう改良し、出来上がった作品がこのスノーマン・タペストリー。